「人喰いザメ」というサメは存在する? サメの生態をしっかり理解してサメの良き理解者になろう!

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夏になると海水浴やスノーケリング、ダイビングなど様々なマリンスポーツが盛んになります。私も海に潜って水中の世界を楽しむが大好きです。

しかし、海で考えられる危険なことをイメージしてみると、波にもまれて溺れる、クラゲに刺されるなどありますが、誰もが考えるのがサメに襲われる、だと思います。

映画の影響もあり「サメ=人を襲う」となってしまっていますが、本当に人食いザメというのは存在するのでしょうか?
今回はそんなサメの真実をお話しします。

目次

サメはどのくらい危険なのか

実際にサメに襲われて怪我をしたり死亡した人はどれくらいいるのでしょうか?

データによると世界でサメにより怪我をした人は平均で1年間に50〜70人程、死亡した人は1〜11人程だといわれています。この数字によるサメの危険性を古いデータではありますが、1990年代のアメリカのデータベースで比べてみます。
サメによる死者を1とした場合の相対危険度は、犬に襲われて死亡した人数はサメの28.7ヘビに噛まれて死亡した人数はサメの37.5落雷で死亡した人数はサメの77.2もあったそうです。

サメによる死者を1とした場合の相対危険度

この数字を見ればサメに襲われて死亡する確率が、日常でどれだけ低いかがわかります。

サメ=危険ではない

現在サメ類は約500種類確認されていますが、そのうちのほとんどが人間に危害を加えたことがない無害なサメです。逆に人やボートなどを襲ったことがあるサメは約30種類です。襲う可能性があるサメを含めてもせいぜい40種類くらいで、危険なサメはは全体の10%も満たしません。万が一サメに出会ったとしても、逃げるのはサメの方でありサメに襲われるケースは稀なのです。人間の方が手を出してしまったり、不注意なことをしない限りはサメを見ても極端に怖がる必要はありません。

危険なサメとは

前述したように人間に危害を加えたことがあるサメは約30種類ですが、そのうち特に多く事故の報告がされているのは3種類です。その注意すべき3種類を紹介しましょう。

第1位 ホホジロザメ(ネズミザメ目ネズミザメ科)

サメが人を襲う系の映画のモデルになっている種類で、体長は最大6m以上にもなります。
アシカやイルカ、クジラの死骸など大きなものでも強い顎の力と、鋭い歯で肉を噛みちぎって捕食します。
世界の広い範囲で生息しており、浅瀬にも稀に現れることから人との遭遇も多いと考えられています。

1580年から2008年までの集計によると、ホホジロザメによる被害総数は451件、そのうち244件が人への攻撃で65名が死亡しています。船への攻撃は99件記録されています。

第2位 イタチザメ(メジロザメ目メジロザメ科)

イタチザメには大きさによって異なりますが、体側の背中側に特徴的な暗色の垂直線があり、その見た目から英語では「タイガーシャーク」と呼ばれています。
体調は最大で7mにもなり、2.3mを超えると人間サイズの餌を食べるようになるので、大型個体は非常に危険視されています。

1580年から2008年までの集計によると、イタチザメによる被害総数は158件、そのうち88件が人への攻撃で27名が死亡しています。船への攻撃は11件記録されています。

第3位 オオメジロザメ(メジロザメ目メジロザメ科)

上位2種に比べて大きくはなりませんが、それでも3mを超える大型のサメです。
このサメの最大の特徴は海から川の淡水域まで生息できるということです。実際に沖縄諸島の河川では発見されていて、河口などの汽水域なども好みます。
河口付近や波打ち際、港など人の生活圏に生息することもあるため、人との遭遇率も上がっていると考えられます。

上記2種と同じ集計によると、オオメジロザメによる事故は120件、82名が襲われ25名が死亡しています。船への攻撃は5件とかなり少ないです。

サメは餌を獲るときにどの知覚に頼っている?

サメは様々な感覚器官を使って情報を集めています。聴覚、嗅覚、視覚などの知覚を頼りに獲物を見つけていますが、実際にどの知覚を頼りに情報を得ているのでしょうか。

このサメの知覚のメカニズムを知っておけば、サメから身を守ることにも繋がると言えます。

①聴覚

サメは知覚の中で1番聴覚に頼って情報を得ていると考えられています。現に水の中は音が空気中よりも早く伝わりやすいので、サメは獲物から数キロ離れた場所でも獲物からでる音を聞き取ることができます。

サメは「食べられる音」と「食べられない音」を聞き分けています。「食べられる音」は何かがもがき苦しむ不規則で低い音。「食べられない音」は規則的で機械的な音。人が溺れたりパニックになったりした時の水面で慌てる様子の音は、サメを引き付けるとも考えられていますので海ではサメを見ても落ち着いてゆっくり離れましょう。

②嗅覚

音を頼りに近づくと、次に血や体液の臭いを頼りに獲物を探します。クルクルと獲物の周りを泳いだり、ジグザグに泳いで方向を確かめながら獲物に近づいていきます。

③側線感覚

今度はサメの頭部や体測にある側線で暴れている獲物の振動を感じとります。

④視覚

さらに近づくとやっと視界に獲物が見えてきます。さらに獲物の周りをグルグル泳いで品定めをするかのように見定めます。

⑤電気感覚

水が濁っていたり獲物が隠れていたりすると、獲物が発する弱い電気を吻先のロレンチーニ瓶という器官で感じ取り探し出します。

⑥触覚

獲物にわざと体を当てて泳いだり、体当たりをして獲物を体で確かめます。

⑦味覚

獲物に咬みついて最終確認をし、食べるか食べないかを判断します。

サメが獲物を見つけるまでの知覚のはたらき

サメによる事故を防ぐ

サメに襲われないように、安全を100パーセント保証する方法はありません。しかし、サメの正しい知識を身につけ、知覚や攻撃パターンを理解しておけば、危険性はかなり低くなると思います。

サメの事故を避けるために…

①サメに近づかないこと

大型のサメがよくいるといわれている場所、最近大きなサメの目撃情報があった場所急に深くなっている場所潮通しが良い場所などはサメに出会う確率が高いです。また、薄暗い早朝や夕方はサメが活発になるので危険性が高くなります。

②サメを近づけないこと

サメが聞き分けている「食べられる音」は不規則で低い音です。そのような音や振動、自分自身が出血してしまっている、またはとった魚から血が流れているなど反応するようなにおいを出さない。またキラキラしたような装飾品や水着などを着ると、サメの視覚を刺激しますのでそのようなものはなるべく着用しないようにしましょう。

③サメから離れること

サメが近づいてきたらその場を去るかすぐに水から上がるようにしましょう。また水の中が濁っている等で視界が悪いときは、サメの発見が遅れてしまうので水の中に入るのをなるべく避けましょう。

④サメに手出しをしないこと

海底で休んでいるサメに興味本位で触ってみたり、突いたりするとおとなしそうなサメに見えても襲ってくる可能性もあるので、手出しはしないようにしましょう。

サメより人の方が恐ろしい

ここまでサメの危険性などについてお話してきましたが、サメ=危険ではないということは伝わりましたでしょうか。「人食いザメ」と言われることもあるサメですが、人を主食にしているサメは地球上に存在しません。サメの生活圏に人間が入っていたり、その人間を獲物であるアシカやオットセイと間違って襲ったりと人を襲ってしまうことにもちゃんと理由があるのです。

怖いのはサメよりもはるかに人間です。高級食材であるフカヒレを得るために、サメを捕獲してサメのヒレだけを切り取って海に捨ててしまう(ヨシキリザメなど)。
サメは水産利用価値がまだ多くはないので、網にかかった魚は出荷しサメは海に捨ててしまう(深海性のサメは特に多い)。
漁場の魚を食い荒らすからと言ってサメの駆除を行い、それにより数が減少している(イタチザメなど)。

現在このようなサメに対するヒューマンアタックが問題となっています。サメは人間を狙って傷つけていませんが、人間はサメを狙って傷つけて数を減らしています。
みなさんにサメの真実をしっかり知ってもらい、今地球上で人間の自分勝手な行動で起きている様々な環境問題に目を向けていただきたいと思います。

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Takarium

初めまして!Takariumです!
水族館で飼育スタッフをやりながらHPの作成と運営、ブログのライティングを行なっています。
NANAUMI AQUARIUMでは水族館で見られる生き物の話や水族館の豆知識など紹介しています。
大学で海洋学を学び、水族館に就職後、魚の飼育からイルカのトレーナーとして日々頑張っております。
何か水族館や海の生き物について気になることがあればコメントやお問合せフォームからお気軽にお問合せください。

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